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お客様がパソコンを買いに来た場合、もちろん接客をすることになるわけですが、その接客の際に店長が気を付けていることがあります。それは、「お客様の立場に立った接客」です。あまりパソコンに詳しくない方が中古パソコンを買う場合のリスク、これは以前の日記でも紹介しました。もしこのリスクをショップ側で吸収できるなら、比較的安心して中古パソコンを選択できるのではないでしょうか。今回はどの業界でも通じると思われる「お客様の立場に立った接客」について述べ、そこから中古パソコンショップとしてお客様に信頼される為の販売コンサルタントのあり方について語りたいと思います。
お客様は「パソコンが欲しい」というより、「パソコンで何かやりたいことがある」のです。どんなパソコンが欲しいかではなく、パソコンで何をやりたいか、なぜパソコンが必要か、これを聞き出す必要があります。もしかしたらそれほど高価なパソコンじゃなくてもOKかもしれませんし、そもそもパソコンを買う必要が無いかもしれません。
パソコンがたくさん売れたとしたら、それは多くのお客様がパソコンを欲しがったのではなく、パソコンで何かやりたいことがあったからだ、と理解すべきです。つまり、お客様がパソコンで何をやりたがっているか、そのニーズをくみ取る必要があります。(ちなみに、ここでくみ取ったニーズは、次のビジネス戦略をいち早く打ち出すための有効な材料になります。)
従って、パソコンを使って具体的に何がやりたいか、例えばインターネット一つとってもいろいろな分野があります。簡単な検索のみで、動画を見たりゲームをすることがなければ、それほど性能が高くなくても充分です。逆に、とあるネットゲームがやりたくてパソコンを買ったのに、そのパソコンでは画面がカックンカックンしてゲームにならなかった、と言う話はよく聞きます。しかし、これは一般に「お客様側での不都合」とされるため、この理由での返品を受け付けるショップなどまずありません。(アイループではゲーム名を教えていただければ、そのゲームをインストールして動作することまで確認した上で販売可能です。)これは中古パソコンに限らず、新品パソコンでもよくある話です。パソコンに限っては「新品なら確実」という発想は残念ながら大間違いとなります。
また、なぜパソコンが必要なのかを尋ねると、いまのパソコンが故障してしまったから、という場合もあります。その場合、いまのパソコンは具体的にどのような症状で故障しているのかを尋ねる必要があります。プロの視点からみれば間単に修理可能な場合が多々あり、アイループの修理代は高くないので、買い換えるより修理した方がはるかに安上がりなことが多いです。あとは「修理する価値があるパソコンかどうか」を考慮した上で、修理か買い換えかのご提案をさせていただきます。
店頭でパソコン購入を検討しているお客様は、そういった視点で解決できる可能性に気付いていないことが多いのです。ご自身でも思い付かなかったベストな解決策に気付かせること、これが本当のコンサルティングではないでしょうか。あとになって「あのとき彼に相談して正解だった」と思わせなければいけません。そう思わせることができないなら、その販売員は単なる一般販売員でしかありません。
パソコンを売ることだけしか頭に無い販売員であれば、とにかくパソコンが売れれば良いので、お客様の立場に立った最善の判断はできません(あえてしません)。とにかく何がなんでも買わせる、買ってもらったらサヨウナラ、このような販売員は一時的な店の売上には貢献するかもしれません。もし、自社の「短期的な売上アップ」を目標とするなら、とにかく商品を売ることだけを最優先に考えるような販売員もアリだとは思います。しかし、そんな店はお客様が少しずつ離れていくので、長期的に見ると経営難の方向へ確実に歩を進めていると判断できます。
お客様からの信頼を獲得して「長期的な売上アップ」を目標にするなら、ときには利益を度外視した接客姿勢も必要です。また、コンサルタントとしての販売員は、製品やサービスを売るのではなく、まず自分自身を売り込めることが重要です。自分自身を売り込めるだけの高度な知識や技術を持ち合わせ、その上で時間をかけてお客様との信頼を築き、長期的な視点から売上をアップさせられる販売員、それが店長の理想とする「販売コンサルタント」であり、現在のアイループの基本方針となっています。
この日記は、【「ドリルじゃなくても穴は開く」を気付かせる質問とは?:杉本吏】の受け売りです。激しく納得したので、中古パソコン販売の話にすりかえてご紹介いたしました。